麻のカーテンができるまで① ―布の製織現場を訪ねる―
私たちの身の回りに当たり前のように存在する布製品は、様々な製造工程を通して糸から布になっています。
Cotolierで扱っている自然素材の布がどのようにして生まれているか、その工程をご紹介していきます。
経糸整経

織物というのは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が組み合わされて、出来た布地の事です。
整経は経糸を並べてビームという道具に巻き上げる工程を指します。巻き上げた経糸を繊機に乗せて、緯糸を織り込むことで布が出来上がります。
経糸を綜絖(そうこう)に通し、筬(おさ)に通します。ほとんどの織機には、経糸を上下に引っぱって分ける仕組みが付いています。この時に生地幅や密度が決まります。むかしながらの力織機では上の写真のように手作業で一本一本、丁寧に糸を通していきます。つくる布によって通し方のパターンも変わってくるので、すさまじい集中力が必要なまさに職人技です。大変な作業ですが、手作業でつくる布はしっかりした密度でありながらふんわり柔らかな手触りに仕上がります。
製織
織機(しょっき)には、昔ながらのシャトル織機や、スピードがあり生産性の高いレピア織機、様々な織り柄が可能なジャカード織機などがあります。

数ある織機の中から、
使用する麻の太さや生地幅などによって、織機を変えて生産していきます。
こちらはレピア織機。生地の端を切り落としながら製織していきます。
整理・検反
こうして織上がった布を、生機(キバタ)を呼び、そこから用途に応じた生地にする工程にはいります。生地をもみほぐし風合いをやわらかくしたり、反対に硬さをだしたり…目的に応じた仕上げをする工程を整理(せいりかこう)といいます。生機のままでは扱いにくい布も、整理加工によってその素材ならではの風合いに仕上がります。整理加工をされた生地は、しっかりと人の目で見て検反(生地検査)され、ようやく布として出来上がります。
このように、一つの布ができるまでには多くの職人が時間と手をかけて仕上げています。特にリネン素材の布は織り上げる際にとても糸が切れやすく、技術が必要な織物です。作り上げることが大変な分、その風合いは化学繊維では得ることができない素晴らしいものとなります。さらに日々の使用で色や風合いが変化し、味わい豊かになっていきます。そんな布ができるまでの様子を知り、ますます愛着を持っていただけたら嬉しいです。
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